2020-01-01から1年間の記事一覧
40年前、私が子供のころから版を重ね続ける『ドラえもんのひみつ道具大辞典』。 成毛眞氏が『アフターコロナの生存戦略』で、成長事業を見定めた投資判断をしたかったらSFを読め、『ドラえもん』の世界も実現しつつあるものは少なくない、と書かれていて思い…
「生きる時代を楽しめ!」成毛眞氏からの一貫したメッセージを感じる本です。 アフターコロナをできるだけ前向きに捉えたいと思っている。 実際、何もかもが一度に変わったわけではなく、それまで水面下で始まっていた変化が顕在化した面もあるだろうし、ワ…
デービッド・A・シンクレア氏はタイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたハーバード医学大学院教授。 文章もすごくわかりやすく面白いのですが、小気味良いのは、健康な状態なしに「寿命」だけを引き延ばすのは罪、同じくらい「健康寿命」を長く…
母親が二人、父親が三人。親の死別や離婚が繰り返され、高校生の今は二十歳しか離れていない"父"と暮らす優子。悲しいこと、切ないことはたくさんあった。でも、周りからよく同情されるけれど「困った。全然不幸ではないのだ。」と思える彼女。 彼女との出会…
冷戦期に作家デビューしたトム・クランシー。軍事や諜報活動を扱うテクノスリラーとして、政府関係者にも評価されるほどリアリティがあるのですが、それだけにとどまりません。ハリソン・フォード主演で映画化されるほど魅力的な登場人物たち。そして何より…
無料で読めるAmazon prime readingの小説の中でも評価が高く、七十代の方が「いくつで読んでも胸に響く」とコメントされていたのが印象的でした。 不運を嘆くばかりの四十路の営業マンが、不思議なタクシーとの出会いから変わっていくファンタジーです。 胸…
日本史、世界史の「歴史の謎」。真実を知るにはタイムマシンが必要? 史料を最大限活かした合理的な条件設定と、基礎的な物理の法則に基づく証明。2つを組み合わせることで生まれた説得力のある仮説を、大いに楽しみました。 著者の播田安弘氏は船舶設計の…
やるべきことやってなかったな。本書を読んで自分は少し反省しました。 精神科医で作家の樺沢紫苑氏が父性をテーマに出した作品を、大ブームとなった『鬼滅の刃』にインスパイアされて加筆、改題して2020年に再版した本書。 中身を表しながらもキャッチ―なタ…
人の死を描いて、こんなにも生への希望を感じさせる小説はすごいです。 あなたの余命は半年です―ある病院で、医者・桐子は患者にそう告げた。死神と呼ばれる彼は、「死」を受け入れ、残りの日々を大切に生きる道もあると説く。だが、副院長・福原は奇跡を信…
ドラマ化されている池井戸潤氏の人気シリーズのひとつ。『半沢直樹シリーズ』同様、必ず最後に正義は勝つw ただし、半沢シリーズが「ヒーローもの」だとすれば、こちらは「人情もの」の良さがあります。 かたや、超絶優秀な銀行員、半沢直樹による、とてつも…
著者の伊藤祐靖氏が、自衛隊初の特殊部隊、海上自衛隊特別警備隊の元小隊長! ご自身が『書いているほとんどにはモデルがいますし、ストーリーや物語設定は架空ですが、切り取った「部分」は事実なんです。その意味では、見たことをそのまま書いているだけだ…
未来を読み解く本として人気の『ホモ・デウス』では、データテクノロジーや遺伝子工学の発展が、後戻りのきかない格差や暴走をもたらすリスクが描かれました。本書で川口伸明氏はこう語ります。 ヒトは、神人になるのではなく、飽くなき冒険の旅を続ける存在…
『サピエンス全史』でハラリ氏は、人類の歴史を振り返り、認知革命、農業革命、科学革命が、が人類を発展させてきたことを教えてくれました。第二弾の本書では、認知、農業、科学という新しい力を活用するために欠かせなかった「虚構」という要素を深堀して…
日清戦争から太平洋戦争まで、日本人はなぜ戦争を選んだのか。本書は東大文学部教授で歴史学者の加藤陽子氏による、栄光学園歴史クラブの中高生との5日間にわたる対話式授業のまとめです。 日清、日露、第一次大戦、日中戦争、そして太平洋戦争。日本はなぜ…
家族なのに、傷つけあう。家族だけど、わからない。夫婦や親子でけんかをしたり、不安にさせたり心配をしたり。誰しもあると思います。 気持ちがささくれだったとき、森浩美さんの家族短編集を読むと、気持ちがほわっとします。家族の大事さを思い出させてく…
第一巻『三体』で双方の存在を知った三体文明と地球文明。三体文明から地球を侵略すべく送り出された星間艦隊が地球に到達するのは四百数十年後。現時点では科学技術で圧倒する三体文明だが、それだけの時間があれば地球文明は十分に対抗可能な科学技術を発…
著者のミチオ・カクさんは日系3世のニューヨーク市立大学理論物理学教授。アメリカで有名な未来学者でもあります。 専門家が自分の意見をまとめた未来予測本や、各分野の専門家へのヒアリングによる本は色々あります。しかし、現役バリバリの科学者が、300…
美容室で興味本位でパラパラとめくり、この人はとてもまじめだな、と感心させられました。彼の言葉として有名な本書のタイトル。「俺」以外を見下しているのではなく、切磋琢磨し続け、何としても「俺」であり続けようという覚悟なんですね。日本一のホスト…
プロテニス史上最強の呼び声も高いノバク・ジョコビッチ。現役の世界No.1テニス選手が著書を出すほど伝えたいことは? 本書前半は、ユーゴ内戦の空爆が続くセルビアジュニア時代、そしてキャリア初期のコンディション不良の振り返り。ピザ屋の息子がまさかの…
かの有名な、こんまりさんのベストセラー。モノを選ぶ基準は「触ったときに、ときめくか」といったキャッチャーなワードにあふれる本ですが、彼女が示す片づけの極意は、おそらく何千回にも及ぶ試行錯誤、自分の具体的な経験から抽出された、研ぎ澄まされた…
上司を味方につけ、好きなことをやる。人事部門も認めてくれて、自由にさせてもらう。そんな風に、命令された仕事ではなく、やりたいことを自分で選択して、楽しく働く。企業の中で、自ら仕事を作りだし、自らの責任において行う。企業で働くにしても、そう…
『レバレッジシリーズ』や『ノマドライフ』『モバイルボヘミアン』など多くの著作がある本田直之氏の30分ぐらいで読めるゆるーい本。「ストレス、追われてる感、もめごと、疲れる…そんなカリカリライフはもうやめた。本田式新しいライフスタイルのススメ。…
ライブ配信&視聴のストリーミングサービス「SHOWROOM」を立ち上げ、『メモの魔術』がベストセラーとなった前田裕二さん。著作紹介では「SNS時代を生き抜く為に必要な“コミュニティ”の本質と、SNSの次の潮流であるライブ配信サービスの最前線がわかる。」と…
「未来を予測するのに一番いい方法は、それを発明することだ。」パソコンの生みの親、アラン・ケイの言葉です。 待ったなしの状況にある日本を、ベストな形で再発明しよう。安宅和人さんは、本書で我々にそう呼びかけ、すこぶる合理的な提案書を示してくれま…
「BS、貸借対照表」と「PL、損益計算書」。この意味するところを正しく理解せぬままにサラリーマン生活を続けてきましたが、コロナで家ごもりをしている間に、財務や数学も基礎を覚えると多くのことに役立つだろうと思い、手に取りました。 若手OLが起業を決…
著者の本多静六氏は、戦前戦後に活躍した東大農学部の先生で、日比谷公園設計、明治神宮造林、ベストセラー作家、さらには投資で大成功。そう説明すると縁遠い偉人に聞こえますが、本業のサラリーマン生活をまっとうしながら、仕事の知識、興味関心を少しス…
久しぶりに読んだ宮部みゆきさんの作品は、中学生の娘に進められて。本当に、この人はなんてすごい物語を書くんでしょうか。初めて読んだ『模倣犯』は、夜の8時に読み始め、怖い思いをしながら朝の8時まで、夜通し読み続けたのを覚えています。この物語は…
マジョリティでない者の生きにくさ。好きなものを大切に追うことの力。コミュニケーションが得意でない苦しさ。好きな者同士がつながるネット時代の可能性。 いつの時代にも、いまの時代だからこそ、若者たちが抱える苦しさと、若者らしい素晴らしさ。二人の…
サイコパス。他人がどうなろうと、その相手を思いやる「良心」はなく、論理的な思考や計算はできるが、他者への共感性、恥の意識、罪の意識がすっぽり欠落している人間。 そういう人間が約100人に1人は存在するという事実を踏まえて、サイコパスとはどの…
マンガ家、イラストレーターのさわぐちけいすけ氏が考える、人との距離感を題材にしたマンガエッセイ。人のためを思って何かをするとき、優しくするとき、人はしばしば見返りを求めている。実はそうですよね。さわぐちさんは語ります。「自分がそうしたいか…