プロテニス史上最強の呼び声も高いノバク・ジョコビッチ。現役の世界No.1テニス選手が著書を出すほど伝えたいことは?
本書前半は、ユーゴ内戦の空爆が続くセルビアジュニア時代、そしてキャリア初期のコンディション不良の振り返り。ピザ屋の息子がまさかの小麦アレルギーだと判明し、一年後に初のウィンブルドンタイトルを手にするまでと、グルテンフリーの食生活の紹介。これがメインテーマで、ジョコビッチファン、食生活改善に関心が高い方におすすめ。
後半で紹介される、彼が信じるパフォーマンス向上の方程式は、仕事にも効きます。よい食べ物に加えて下記の4つ。在宅勤務で凝り固まった関節痛解消にも有効。各トレーニングの動画もつけているのでご参考に。
自分の時間を作る(マインドフルネス)
ジョコビッチ自身はマインドフルネス、瞑想に毎日15分を割いているそう。スキルは反復練習を通じて自動化され、意識せずともできるようになる。人はピンチに陥ると、自分の中の「内なる混乱」に惑わされて、多くのエネルギーを消耗します。そんな時は、ネガティブな考えが浮かぶことをそのまま認めて、そのままやり過ごし、今の瞬間に集中する。彼はこの習慣を通じて、瞑想の時間など取れない試合中ですらも、自動的に脳機能が効果的に働くようになったと感じているそうです。
まずは5分。静かに座り、自らの呼吸、今その瞬間、そして今感じている肉体のうごめきに集中する。考えは浮かぶままにしておく。目指すべきゴールは、心に浮かぶ考えと、肉体のうごめき、この2つをともに感じ、かつ切り離せるようになることです。
始めた当初に一番難しいのは「自分のために」時間を作ること。今の私たちはスマホを手放せず、リモートでも仕事ができる機器に囲まれ、かつてよりさらに多くの時間を、ストレスをさらに高める周囲の雑音のために使っているようです。瞑想が有効なものになるために、まずは一日の中でほんの少しでいいから自分の時間を作りましょう。健康的な食事をする、あるいは外に出て新鮮な空気を吸う。多くの人たちは忙しくしていないと時間を無駄にしていると思いこんでしまいがち。でも、ほんの5分、スマホやパソコンから離れて、自分のことだけを考える。浮かんでくる考えを認め、そのまま流していく。徐々に、ネガティブなエネルギーが消失し、ポジティブなエネルギーで満たされるようになるでしょう。
「睡眠」を考え直そう。
健康を約束する3つの大切な習慣のうち2つは良い食事と適切な運動ですが、ジャンクフードを食べたり、計画していた運動をさぼったりすると気が咎めるのに、睡眠不足は、忙しい証で、いいことみたいに自慢したりする。考えると恐ろしいことです。ジョコビッチは睡眠を食事や練習、ライバルと同じぐらい丁寧に扱っていると言います。彼が実践している工夫の中でも特に大切だと思うのは、毎晩同じ時間にベッドに入ること。週末も含めて、午後11時から12時の間にベッドに入る。これは『睡眠こそ最強の解決策である』で睡眠を専門に研究してきた科学者も最優先に推奨している習慣です。
「本物の」柔軟性を獲得する。
ラジオ体操のような静的(スタティック)ストレッチに対して、動的(ダイナミック)ストレッチ。彼にとっての真の柔軟性とは、勝つために必要な幾多の動きを実践できるかどうか。ダイナミック・ストレッチは完全に実践の動きに基づいており、このおかげで、ジョコビッチはすべての動きを簡単にできるようになったと言います。実際、ジョコビッチのプレーを見ていると球際の強さは驚異的。以下のメニューは、テニス以外の何のスポーツをするにも役に立つでしょう。
ジャンピング・ジャックス
ウォーキング・ハイ・ニーズ
ウォーキング・ハイ・キックス
スクワット・スラスト
ランジ・ウィズ・サイドベンド
リバース・ランジ・ウィズ・バックワード・リーチ
www.youtube.comロウ・サイド・トゥ・サイド・ランジ
インバーテッド・ハムストリング
インチワーム
お金がかからない効果的マッサージ
プロテニス選手にとって、肉体の回復は非常に重要な投資項目であり、マッサージは必需品であり贅沢ではない。一方で、一般人にとって、頻繁にマッサージを受けることは金銭的に難しい。そこでジョコビッチが我々におすすめするのが、フォームローラーを使ったマッサージ。4、5千円しますが、どこでも気軽にできるし、すぐに腰痛や肩こりへの効果が感じられるので本当におすすめです。下記のメニューをやってみると、時として痛みを感じることがありますが、それはそこの筋肉が張っていて要注意だということ。ジョコビッチは、これを続けているとこわばりが減っていき、筋肉がしなやかさを取り戻すと言います。
ハムストリング・ロール
グルーツ・ロール
イリオティビアル・バンド・ロール
カーフ・ロール
クアドリセプス・アンド・ヒップフレクサーズ・ロール
グロイン・ロール
ロウワー・バック・ロール
アッパー・バック・ロール
ショルダー・ブレイズ・ロール