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『父滅の刃』父親として、父性すなわち規範と方向性を示そう

やるべきことやってなかったな。本書を読んで自分は少し反省しました。

精神科医で作家の樺沢紫苑氏が父性をテーマに出した作品を、大ブームとなった『鬼滅の刃』にインスパイアされて加筆、改題して2020年に再版した本書。

中身を表しながらもキャッチ―なタイトルをつけることは、手に取ってもらうために大切ですね。著者が語るように、時代を先取りしすぎて一度は絶版になった内容が、いまその必要性が高まってきているようです。

父性不在がさらに進んで父性消滅の危機だと。ひきこもりや将来に夢や希望を見いだせない子どもの増加。それが最近の映画やアニメの内容に表れていると。

こじつけもあるかもしれませんが、ものごとを抽象化して共通項を見出し、人々に役立つ考え方を提供する、その力が素晴らしいと感じます。

私は自分の父性不足を気づかされることとなりました。私が規範を示さないことで、妻に負担をかけていたなとか、もっと方向性を示すことで、子どもたちの成長を後押しできるんじゃないか、とか。

父である自らの備忘録として「父性回復の処方箋」のポイントをまとめます。

 

まず父性を失わせる「Bad Father」は、強すぎる父親、弱すぎる父親、普通の父親。現代の普通の父親とは、仕事ばかりで子供に関わらない父親。

対する「Good Father」は、下記4つを実現している父親。

  1. 規範を示している
  2. 尊敬、信頼されている
  3. 「そうなりたい」と思われている
  4. 理念、方向性を示している 

両者をチャートで表すとこういうこと。

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父滅の刃 P274 "Good FatherとOrdinary Father" 図解参照

父性回復の処方箋には5つの方法が。

  1. 自分が「父親殺し」、すなわち父親と理解しあい、自己成長して自分のビジョンが持てる大人になる。
  2. 自己成長で父親の問題を超える。
  3. 実際に「よき父親」になる、「家庭」の中で父性的存在になる。
  4. 父親以外の尊敬できる誰か「メンター」に父性を求める。
  5. 部下を持つ会社員やリーダーとして父性的存在になる。 

 実際の父親として、また会社の中で部下を持つ身として、時々我が身を振り返って、よい存在にならないといけないな、と思います。

父滅の刃~消えた父親はどこへ アニメ・映画の心理分析~