やるべきことやってなかったな。本書を読んで自分は少し反省しました。
精神科医で作家の樺沢紫苑氏が父性をテーマに出した作品を、大ブームとなった『鬼滅の刃』にインスパイアされて加筆、改題して2020年に再版した本書。
中身を表しながらもキャッチ―なタイトルをつけることは、手に取ってもらうために大切ですね。著者が語るように、時代を先取りしすぎて一度は絶版になった内容が、いまその必要性が高まってきているようです。
父性不在がさらに進んで父性消滅の危機だと。ひきこもりや将来に夢や希望を見いだせない子どもの増加。それが最近の映画やアニメの内容に表れていると。
こじつけもあるかもしれませんが、ものごとを抽象化して共通項を見出し、人々に役立つ考え方を提供する、その力が素晴らしいと感じます。
私は自分の父性不足を気づかされることとなりました。私が規範を示さないことで、妻に負担をかけていたなとか、もっと方向性を示すことで、子どもたちの成長を後押しできるんじゃないか、とか。
父である自らの備忘録として「父性回復の処方箋」のポイントをまとめます。
まず父性を失わせる「Bad Father」は、強すぎる父親、弱すぎる父親、普通の父親。現代の普通の父親とは、仕事ばかりで子供に関わらない父親。
対する「Good Father」は、下記4つを実現している父親。
- 規範を示している
- 尊敬、信頼されている
- 「そうなりたい」と思われている
- 理念、方向性を示している
両者をチャートで表すとこういうこと。
父性回復の処方箋には5つの方法が。
- 自分が「父親殺し」、すなわち父親と理解しあい、自己成長して自分のビジョンが持てる大人になる。
- 自己成長で父親の問題を超える。
- 実際に「よき父親」になる、「家庭」の中で父性的存在になる。
- 父親以外の尊敬できる誰か「メンター」に父性を求める。
- 部下を持つ会社員やリーダーとして父性的存在になる。
実際の父親として、また会社の中で部下を持つ身として、時々我が身を振り返って、よい存在にならないといけないな、と思います。