人生と仕事とテニスに効く読書ノート

人生と仕事とテニスに効く本を、使える形で。

【ガリア戦記を読む④】カエサルはなぜ境界を越え続けたのか――前55年、ライン架橋とブリタンニア遠征に見る「実行力」と「政治的演出」

ガリア戦役4年目のカエサルは、のちに「リメス」と呼ばれるローマ帝国の防衛線を、この時期から思い浮かべていたのであろうか。ローマが能動的に管理すべき、戦略的な境界領域として、ライン川やブリテン島など、辺境地域で積極的に動いた。 (1)ウシぺテ…

【ガリア戦記を読む③】カエサルはなぜ勝てない土俵を変えられたのか――前56年、ウェネティ族海戦に見る「能力構築」と「戦場転換」

3年目の戦争は、カエサルに命じられたガルバが、レマン湖から東南に流れ出るローヌ川沿いのアルプス山岳地帯を制圧する戦いから始まる。商人のアルプス越えの際、いつも生命の危険にさらされ、高い関税を払わされていたので、そこに安全な道を通そうとした…

【ガリア戦記を読む②】カエサルはなぜ危機で崩れなかったのか――前57年、ベルガエ人戦に見る「速さ」と「自律する組織」

この年、ガリア人の中でも勇猛果敢とされ、北フランスを支配するベルガエ人が、ローマに対抗すべく動員を始める。冬営先の北イタリアでこの情報を得たカエサルは、2個軍団を追加招集して準備を整える。 夏の初めには、これ以上遅らせるべきではないと判断し…

【ガリア戦記を読む①】カエサルはなぜ強かったのか――前58年、ヘルウェティイ族とアリオウィストゥス戦に見る「先手」と「統治の構想」

世界史のスーパースター、ユリウス・カエサルが自ら書いた『ガリア戦記』。西ヨーロッパの古戦場巡りのように、さらには、カエサルが情勢をどう見て、意思決定し、組織を動かしたかを学ぶべく読み込むと、めちゃくちゃ面白い。6つのレンズを通してじっくり…

『反応しない練習』最高の納得にたどりつくために

たとえば、朝の通勤ラッシュで混んでいるなあとゲンナリする。これは心を憂鬱にさせる反応。心ない相手の態度にイラッとする。これは怒りを生む反応。人と会うときも、仕事をしているときも、外を歩いているときも、心はいつも反応しています。 その結果、イ…

『技術革新と不平等の1000年史』イノベーションで社会を繁栄させるには仕事を増やす方向に導くこと

過去1000年の歴史から一つの事実が明白になる。新たなテクノロジーが自動的に広範な繁栄をもたらす、とは全く決まっていない。経済的、社会的、政治的な選択次第なのである。 テクノロジーが進歩するとみんなが繁栄するという楽観主義は、生産性を高める新し…

『自由と国家』自由と繁栄の実現には狭い回廊を維持する継続的な努力がいる

人間社会はどうやって自由を獲得し、それが繁栄にどう影響を与えてきたのかを、本書から学ぼう。 自由とは、人々が暴力や威嚇、その他の屈辱的な行為から解放された状態だ。人は自分の人生を自由に選び、理不尽な仕打ちに脅かされずに、その実現に向かう手段…

『The Art of Doubles』 上級を目指すアマチュアダブルスプレーヤーに

ChatGPTが世界一わかりやすいダブルス戦術本と紹介する『The Art of Doubles』 基本ショットは打てる前提。具体的かつ戦略的に、ポジションの取り方、ショットの使いどきなど、状況判断の定着に焦点を当てている。邦訳本がないのでポイントを。 バランスのい…

試行錯誤の軌跡:人類の歴史を探る(7)2千年前ー包括的政治制度の萌芽と巨大帝国の成立

人類が古代に経験した最重要なできごとの一つは国家の形成だ。国家は当初、都市が政治的に独立して機能する都市国家だったが、古代ギリシアのポリスのように長く機能し続けたケースは少なく、多くの場合、都市国家はより強力な国家に征服されたり統合された…

『グッド・ライフ 幸せになるのに、遅すぎることはない』ハイライト

困難や苦労があるから、いろいろ考えたり、想像力が広がり、よい人間関係を築く力がつく。幸せな人生は、よい人間関係によって築かれる。 幸せな人生は喜びにあふれている・・・けれど、試練の連続だ。愛も多いが苦しみも多い。それに、幸せな人生とは偶然の…

『UAV あなたが知らない あなたの会社だけの強み』販売戦略の再検討時に手元に置いておきたいガイドブック

これからプロモーション、販売戦略を考え直したい自分にとって、素晴らしい教材でした。繰り返し確認したい箇所を備忘録として。 顧客のインサイトを捉える重要性 Unique Attractive Value(顧客に選ばれ続ける価値)の開発 UAV開発の3ステップ UAVの効果を…

『国家はなぜ衰退するのか』十分に中央集権化され多元的な制度、これらに欠けているからだ

制度は、人々の行動にインセンティブや影響を与え、国家の成功や失敗を左右する。例として、異なる制度を持つ隣国で生まれ育った2人を見てみよう。 ビル・ゲイツは、アメリカ合衆国の学校制度で必要なスキルを身につけ、その経済制度が支える低い参入障壁を…

『50代にしておきたい17のこと』50歳のいま、やりたいこと

本田健さんが勧める、50代にしておきたい17のこと、の目次。そして50歳のいま、自分なりにやりたいこと。 1. 残りの人生でやりたいことを決める 50代は、どう攻めていくかで決まる:意識的に、やりたいことだけ、やりたいやり方で、やっていく。迷ったら、無…

試行錯誤の軌跡:人類の歴史を探る(6)3千年前ー鉄器の普及と社会の振れ幅の拡大

古代グローバル文明とも言える青銅器文明崩壊後、人類は鉄器の普及という新たな岐路を迎えた。このイノベーションは、社会の振れ幅をさらに大きくしていく。 2千5百年前ー鉄器の普及 トマ・ピケティは『21世紀の資本』で、経済成長の速度感を超長期で示し…

試行錯誤の軌跡:人類の歴史を探る(5)4千年前ー古代グローバル文明の形成と崩壊。次代への試行錯誤

各地に領域国家を成立させ、それぞれに必要な社会のあり方を選択し始めた人類は、古代グローバル文明を形成し、崩壊させた。これもまた、次代への試行錯誤の過程だ。 4千年前ー古代グローバル文明の形成と崩壊 紀元前3千年紀の青銅器時代に、エジプト、ヒ…