花も実もある楽しい読書

人生とテニスに役立つ本

『アフターコロナの生存戦略』これからの働き方、生き残り方、楽しみ方

「生きる時代を楽しめ!」成毛眞氏からの一貫したメッセージを感じる本です。

アフターコロナをできるだけ前向きに捉えたいと思っている。

実際、何もかもが一度に変わったわけではなく、それまで水面下で始まっていた変化が顕在化した面もあるだろうし、ワクワクするような変化、私たちを楽しませ、幸福度を上げるような兆しも、あらゆるところで生まれ始めている。

序章の3例を見ても本当にそうだなと。

  • 波の立つところにしか事務所を構えないというパタゴニア。これからは彼らに限らず、海でも山でも川でも、自分の好きな場所、自分たちにとって良い環境で、働き、暮らすことが、以前よりも容易になりうる。
  • これからの消費は、人に見せるための「トレンド」よりも、自分にとって便利で暮らしをよくする「実用性」が重視されるかもしれない。
  • 付き合いで参加していた飲み会が減り、懐に残ったお金を自分の好きなこと、増えた在宅時間を充実させることに使える。沈む業界があれば、浮かぶ業界がある。

自分は「阪神間」に住んでいますが、米系企業で以前からウェブ会議、自宅勤務は普通にあったので、コロナ後はほぼ在宅に。商談もウェブが増えて東京出張も激減しました。

通勤・出張の時間と体力を「全集中」で仕事に投入できるので生産性は上がりましたし、非東京在住ゆえの不便さが減りました。自分は東京育ちですが、こうなると生活コストが安く、自然が豊富、でも外食や買い物にも便利な阪神間は、とても住みやすい土地です。

スーツを着る機会が減り、代わりに快適でよく着るのが THE NORTH FACEなど、シンプルで、軽く、丈夫なアウトドアブランド。

在宅時間が増えたので、大きな家具の配置を変えたり、飲み会や旅行が減った分、インテリアを新調したり。住まいを充実させるのは、心地よいことだと改めて気づきました。

本章は下記の5つから構成されていて、1時間ぐらいでススッと読めます。

  1. アフターコロナのビジネス未来図
  2. 日本と世界のリスクを見渡す
  3. これからの働き方
  4. 情報社会で生き残る条件
  5. これからの遊び方、お金の使い方

情報が詰め込まれているというより、成毛氏のものの見方、情報の集め方など、気付きのキッカケが色々含まれていて、自分に響くものに出会えると思います。

個人的には、後半の3章で下記のような点がとても気になりました。

これからの働き方

誠実に仕事に励みつつも下記のような態度で仕事に臨むことは楽しさにも結果にもつながりやすくなる気がします。

仕事人生の9割は運だ

好きなことだけして生きていく、ではなく、やらないことを決める

エンジニアなんかは当然、実力主義だ。しかしセールス・マーケティング系が生き残るには、アメリカでも運と度胸と愛嬌と人脈(社内の仲間)が必要だったりするのである。

情報社会で生き残る条件

サラリーマンとして働く中で今後気を付けたいのは、自分にないものを持つ人との出会いを大切に、丁寧に扱うこと。

自分は会社の中で主流でない部署を多数担当してきました。思えば幸運にも、ECやDXなど、成長するはずだけど、まだ担当がいない分野だから、主流出身ではない私にお鉢が回ってきました。

手探りで進む時は、その道の専門家が助けてくれました。彼らとの縁を大切に。

サラリーマン最大の問題は人脈のなさ、人を知らないことだ。自分と違う業種の人を知らない、付き合ったことがないというのが、決定的に大きい。

商社マンには、ジェネラリストとスペシャリストの2種類がいる。紙や小麦ばかり扱う花形のスペシャリストに対して、他の部で扱っていないもの、「日本で売るにしても誰がやるのか?」となるような商品を扱う雑多な部署の人間は面白い。

これからの遊び方、お金の使い方

今、世の中で起こっている科学技術の発達というのは、ほぼ100%、過去のSFで描かれていたことだ。

もし、おもしろいことをやりたいなら、GAFAの次を探さないといけない。それに役立つのがSFというわけだ。

『ドラえもん』の世界も実現しつつあるものは少なくない。「ほんやくこんにゃく」は自動翻訳機に、「立体コピー紙」は3Dプリンターに、「ゆうびんロケット」はAmazonが開発しているドローンに。

上記は「投資判断にも役立つSF的発想」というアドバイスだったのですが、同じく本章にある「子どものころの趣味に立ち返ってみるのもいい」というアドバイスが、勝手に頭のなかで直結しました。自分は子供のころ『ドラえもん』が本当に好きで、それが科学技術ネタ好き、ガジェット好きにつながっているのかなと。

ドラえもんのひみつ道具が2020年にどこまで実現されたか、考えてみたいと思います。