ドラマ化されている池井戸潤氏の人気シリーズのひとつ。『半沢直樹シリーズ』同様、必ず最後に正義は勝つw
ただし、半沢シリーズが「ヒーローもの」だとすれば、こちらは「人情もの」の良さがあります。
かたや、超絶優秀な銀行員、半沢直樹による、とてつもない逆境からの鮮やかな「倍返し」。爽快で完璧な立ち回り、カッコいい啖呵や決めゼリフは、企業を舞台にした、まさにスーパーヒーロー。最高に面白いファンタジーです。
一方の『下町ロケットシリーズ』は、より等身大の悩める主人公が、善い面も悪い面もある仲間、ライバルとぶつかり合い、助けられ、切磋琢磨する中で光明を見出していきます。多くの働く人間にとって、思い入れが持てるストーリー。
私はテレビドラマを先に見て、筋はわかったからと読まずにきていたのですが、改めて読んでみると読むのを止められませんでした。半沢直樹を読んで泣くことはありませんが、下町ロケットは何度も目頭を熱くさせられました。
小学館による各巻内容紹介は以下の通りで、ドラマチックさはやはり第1巻。その結末は本当に感動的で、明日から俺も仕事がんばろう!と思わされます。
身近に感じるのは第4巻。3、4巻で登場するテクノロジーは、最新でありながら、多くの人の身近な暮らしにつながるもの。目の前の自分の仕事に愛情やプライドを持って打ち込む、ひたむきな人々の姿に勇気づけられます。
明日から仕事が始まる日曜日などに、ぜひ読んでみてください。
第1巻
「お前には夢があるのか? オレにはある」
研究者の道をあきらめ、家業の町工場・佃製作所を継いだ佃航平は、製品開発で業績を伸ばしていた。そんなある日、商売敵の大手メーカーから理不尽な特許侵害で訴えられる。圧倒的な形勢不利の中で取引先を失い、資金繰りに窮する佃製作所。創業以来のピンチに、国産ロケットを開発する巨大企業・帝国重工が、佃製作所が有するある部品の特許技術に食指を伸ばしてきた。特許を売れば窮地を脱することができる。だが、その技術には、佃の夢が詰まっていた。
第2巻
その部品があるから救われる命がある。
ロケットから人体へ。佃製作所の新たな挑戦!ロケットエンジンのバルブシステムの開発により、倒産の危機を切り抜けてから数年。大田区の町工場・佃製作所は、またしてもピンチに陥っていた。量産を約束したはずの取引は試作品段階で打ち切られ、ロケットエンジンの開発では、NASA出身の社長が率いるライバル企業とのコンペの話が持ち上がる。そんな時、社長・佃航平の元にかつての部下から、ある医療機器の開発依頼が持ち込まれた。「ガウディ」と呼ばれるその医療機器が完成すれば、多くの心臓病患者を救うことができるという。しかし、実用化まで長い時間と多大なコストを要する医療機器の開発は、中小企業である佃製作所にとってあまりにもリスクが大きい。苦悩の末に佃が出した決断は……。医療界に蔓延る様々な問題点や、地位や名誉に群がる者たちの妨害が立ち塞がるなか、佃製作所の新たな挑戦が始まった。
第3巻
宇宙(そら)から大地へ。
いま、佃製作所の新たな戦いの幕が上がる!倒産の危機や幾多の困難を、社長の佃航平や社員たちの、熱き思いと諦めない姿勢で切り抜けてきた大田区の町工場「佃製作所」。しかし、またしても佃製作所は予期せぬトラブルにより窮地に陥っていく。
いまや佃製作所のシンボルとなったロケットエンジン用バルブシステムの納入先である帝国重工の業績悪化、主要取引先からの非情な通告、そして、番頭・殿村に訪れた危機。そんな絶体絶命のピンチを切り抜けるため、佃が下した意外な決断とは・・。
第4巻
「宇宙から大地」編、ついに激突!!
社長・佃航平の閃きにより、トランスミッションの開発に乗り出した佃製作所。果たしてその挑戦はうまくいくのか。ベンチャー企業「ギアゴースト」や、ライバル企業「ダイダロス」との“戦い”の行方は。帝国重工の財前道生が立ち上げた新たなプロジェクトとは一体。そして、実家の危機に直面した番頭・殿村直弘のその後は。
大きな挫折を経験した者たちの熱き思いとプライドが大激突!
準天頂衛星「ヤタガラス」が導く、壮大な物語の結末や如何に!?