花も実もある楽しい読書

人生とテニスに役立つ本

2021-01-01から1年間の記事一覧

AI入門書として秀逸、かつ自分のプロジェクトにいいヒントがもらえた本『文系AI人材になる』

AIを使ってビジネスを構築する人が、のぐりゅうさんの言う「文系AI人材」。対比として、ビジネスで使うAIを構築する人が「理系AI人材」。本書はまず、文系AI人材への第一歩としてキホン(役割、種類や用語)と作り方(特徴づかみの名人であるAIが作られるス…

大企業の中でイノベーションを起こすには。ケヴィン・ケリーが語る『5000日後の世界』への心構え

新書なので、筆者ならではの、広い知見にもとづく未来予測の深みやら、テクノロジーの哲学的な捉え方などは、割とあっさりしています。そのあたりは『インターネットの次にくるもの』が詳しいかと。 個人的に響いたのは、大企業がイノベーションを起こせない…

ケガなくラクにやせるランニングのアドバイス『あたらしいランニング入門』

学生の頃から長距離走は苦手で、たまに意気込んで走ると膝に痛みを感じる私ですが、テニスと散歩だけでは痩せなくなってきたし、いい方法はないかなと。そんな時に見つけた、青学駅伝チームのフィジカル指導も担当する中野ジェームズ修一さんの本書。 お勧め…

『試合に勝つテニス 鈴木貴男のダブルス講座』即効性ではなく長期服用でダブルスに効く

本書を読んですぐに草トーで勝ち上がれる訳ではなく、しばらく放置していました。ショットの精度を高めて再挑戦、それでも勝ちきれないと思ったときに、作戦力を上げたいなと。その上で本書を読むと、改めて学ぶところがあります。試合で見つけた気づきや反…

ダブルスサービスゲームキープのポイント4つ テニス漫画『BREAK BACK』より

元選手、コーチのKASAさんが描くテニス漫画『BREAK BACK』。とても面白く、そして週末テニスプレーヤー上達のヒントがたくさん描かれてる。 今回参考にしたのはダブルスのサービスキープのポイント。 作中で「ダブルスとしてこれ以上ないパーフェクトなプレ…

『保身』立ち場も、胸の内も、縛られすぎずに楽しい方へ抜け出そう

記者の藤岡雅さんが克明に記した、積水ハウスで2018年1月に起きた「クーデターの深層」。前年の地面師詐欺事件に始まり、2021年までの積水ハウス経営陣の軌跡を追います。 これだけの大企業が地面師に引っかかったことはお粗末の一言。クーデターの是非につ…

『アフターデジタル2』を読んで日用品業界のDXを考える

新たなUX = User Experience、顧客体験を作り、顧客とオンライン、オフラインを横断した関係性を築くこと。DXとはそういうことで、社会をよりよくするUXが提供できないDXは本末転倒。著者の藤井保文さんの説明はわかりやすい。 私が働く日用品業界でもデジタ…

『未来の年表』『未来の年表2』はこれから日本に起きる課題リスト。需要と供給のマッチングが解決策

著者でジャーナリストの河合雅司氏が書かれている通り、向こう50年の人口動態は大きくぶれることはありえません。2021年に50歳の人は約190万人。50年前は第二次ベビーブームで出生数は約200万人でした。2071年の50歳は絶対に81万人より少ないです。なぜなら2…

『94%の顧客が「大満足」と言ってくれる私の究極のサービス』デジタルと戦略と温もりを掛け算できたら響くんじゃないか

いま仕事で販促のデジタル化をリードしています。どのような販促が問題解決につながるか。そういった戦略的な考え方には強い会社なので、1to1アプローチに強いパートナーと、効果的に一緒にソリューションを作っていこうとしています。 元CEOが「Consumer is…

『1%の努力』これらを徹底して、楽しく生きる

「働かないアリ」であれ。 ひろゆきさんの提言は極端なようでいて、至極もっともなことにこう続きます。 「働かないアリ」のように、お金や時間にとらわれない状態になると、チャンスが見えるようになる。 まさしく「サボる才能」があるかどうかが問われる。…

『ビジネスパーソンのためのクリエイティブ入門』Whyで動かす。盗んで返す。

「クリエイティブとは、クリエイターのためだけのものじゃない。ビジネスマンのためのものでもある。」 「プレゼンテーションの目的は説明することでも、理解させることでもない。聞いた人の『感情を揺さぶる』ことである。」 人はどうすれば動くのか、人を…

『DXの思考法 日本経済復活への最高戦略』抽象化する。本屋にない本を探す。

「DXについて高次で思索を深めたい人は、経産省の誇る知性、西山圭太前経産省局長が書いたこの一冊を」との安宅和人さんの推薦を見て手に取りました。読み進めてみると、著者はなんという勉強家で頭のいい人かと感嘆… 大きな変化を起こすための抽象化の大切…

『新九郎、奔る!』俺の主は俺だ!真面目な青年の成長と応仁の乱の舞台裏を丁寧に描く歴史漫画。

北条早雲こと伊勢新九郎盛時が主役の、ゆうきまさみ最新作。応仁の乱前夜、新九郎11歳から物語は進みますが、1巻冒頭は、新九郎38歳が起こしたある事件の場面から。 室町殿奉公衆、伊勢新九郎盛時!主命により足利茶々丸様の御首頂戴に参上仕った! 主命かあ…

『いじめと探偵』高度な技術とプロ意識と優しさで、子どもたちの救いとなる

いじめを受けている子どもには、どこかに助けがあると知ってほしい。いじめをしている子どもには、必ず報いがあると学んでほしい。そういう社会であってほしい。 日本で初めていじめ調査を請け負う、著者の阿部泰尚さん率いる探偵事務所。保護者や学校だけで…

『Who Gets What マッチメイキングとマーケットデザインの経済学』人と人のニーズをぴったりマッチさせ、暮らしをよりよくする

需要と供給のバランスが価格によって最適化されるのが市場の役割。では、モノやサービスの配分が価格で調整できない時は? 例えば公立高校の学校選択。はたまた腎臓移植。売買価格では調整できない。。 マッチング理論とは、人と人、人とモノ・サービスをど…

『<インターネット>の次に来るもの』これからの未来の12の潮流を知り、対処しよう

著者のケヴィン・ケリーは、老舗テックメディアWIERD誌の元編集長で、テクノロジー界の哲学者のような人。 インターネットはどう社会を変え、世界をどこへ向かわせ、良くするのか否か。デジタル社会の行く末を12の動詞で示唆し、ものごとのDXを深く考える…

『10年後の仕事図鑑』3つのことを突き詰めること、自力x他力で問題を楽しく解決することの大切さ

2018年に出た落合陽一氏と堀江貴文氏による対談形式の本書。さらっと読んだ2年後に読み返すと、時代に私の理解が追いついたのと、私自身の変化で、メッセージがより胸に響きました。 自分のように四半世紀ほど働いてきた人間に、下記の2点は今後の働き方を…

『日本の医療の不都合な真実 コロナ禍で見えた「世界最高レベルの医療」の裏側』非常に深刻な医療費の使われ方と逆説的な希望

医師で医療経済ジャーナリストの森田洋之氏は、現場とデータの両方を見て、コロナ禍にある日本医療の現状をこう例えます。 最強の戦力を保持しているにもかかわらず、それらを適正に配置する指揮命令系統を失ってしまったので誰も動けない。しかし敵はもう足…

『海の底』成人男性から女子中学生までハマる潜水艦?小説

読み始めて9ページで度肝を抜かれる…あまりに意表を突かれ、すごく先が気になってしまいます。まだ裏表紙の内容紹介にも目を通していない方は、ぜひそのまま読み始めてください。 その1点に限って突拍子もなく、それ以外のストーリーはリアルに展開します…

『日本沈没』重い問いにしびれたのち、一周まわって楽観的になった原作

タイトルはみんな知っている1973年発刊の古典的なパニック小説。平成の震災を経験し、気候変動が大きな社会問題となっている今、2021年のドラマの原作にもなりました。ストーリーの枝葉は大きく変わっていますが幹は同じかな。原作を読んでみると、半世紀前…

『すばらしい新世界』こんな未来もあり?考えさせられてしまうディストピア小説

こんな未来もありかもしれない… 副作用なく気分をあげる錠剤「ソーマ」や欲求を充足する「フリーセックス」。これは割り切ってしまえばユートピア? 生産性と安定をひたすら追求し、新常識に疑問を持たないよう、工業的にクローン生産され、機械的な刷り込み…

『すごい宇宙講義』物理が苦手でもブラックホールとビッグバンがわかる本

夜空の向こうに夢を馳せたこと、誰でもありますよね。ブラックホールやビッグバンって何なんだ、知りたいなと思ったことがある人も多いはず。 著者の多田将氏は素粒子研究の専門家。宇宙の専門家ではなくて、教えるのが飛びきり上手な科学者。宇宙を題材に科…