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2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

試行錯誤の軌跡:人類の歴史を探る(6)2千5百年前ー鉄器の普及と社会の振れ幅の拡大。

古代グローバル文明とも言える青銅器文明崩壊後、人類が迎えた新たな岐路は敵機の普及であった。このイノベーションは、社会の振れ幅をさらに大きくしていく。 2千5百年前ー鉄器の普及 トマ・ピケティの『21世紀の資本』では、超長期で見た経済成長の規模…

試行錯誤の軌跡:人類の歴史を探る(5)4千年前ー古代グローバル文明の形成と崩壊。次代への試行錯誤。

各地に領域国家を成立させ、それぞれに必要な社会のあり方を選択し始めた人類は、古代グローバル文明を形成し、そして崩壊させた。これもまた、次代への試行錯誤の過程である。 4千年前ー古代グローバル文明の形成と崩壊 紀元前3千年紀の青銅器時代に、エ…

試行錯誤の軌跡:人類の歴史を探る(4)4千年前ー領域国家の成立。それぞれの社会に必要なあり方の選択。

情報を記録するために、数千年の試行錯誤を通じて文字体系を確立した人類は、各地に領域国家を成立させ、それぞれの社会に必要なあり方を選択して行く。 4千年前ー領域国家の成立 紀元前3千年紀、メソポタミアからエジプトに多くの領域国家が誕生した。マッ…

試行錯誤の軌跡:人類の歴史を探る(3)5千年前ー情報の記録。数千年の試行錯誤で完成した唯一の文字体系。

温暖化した地球上で定住を拡大し、社会的な試行錯誤の幅を広げた人類が迎えた次の岐路は、情報の記録を可能する、文字体系を確立したことだった。 5千年前ー情報の記録 人類は数万年前から、動物の骨に刻み目をつけたり、洞窟に絵文字を描いたりして、もの…

試行錯誤の軌跡:人類の歴史を探る(2)1万2千年前ー定住の拡大。社会的な試行錯誤の進展。

認知能力が発展して言語を身につけ、仮説検証という独自の行動を始めた人類が迎えた次の岐路は、定住の拡大であった。 1万2千年前ー定住の拡大。 最終氷期がついに終わりを迎えて完新世という気候が温暖な時代に突入し、より容易となった狩猟採集とともに…

試行錯誤の軌跡:人類の歴史を探る(1)7万年前ー認知能力の発展。仮説検証する人類の始まり。

人類が他のホモ属と一線を画すようになった最初の決定的な岐路。それは7万年前ごろ、認知能力の発展によって仮説検証という人類のならではの行動が始まったことだ。 7万年前ー認知能力の発展 ホモ・サピエンスの社会はなぜこれほど発展したのか。きっかけは…

試行錯誤の軌跡:人類の歴史を探る(0)全人類の通史を深く学び始めたきっかけ

高校で世界史を好きになってから30年以上が経つ。学校で使った世界史年表は社会人になってからもしばらく持っていたのを覚えている。見開きに収まる情報量には限りがあるので、当然のごとく時代ごと、地域ごとに区切られていた。歴史は時代を越えて続いてい…

トマ・ピケティによる現代の古典『21世紀の資本』

「本書は経済学の本であるのと同じくらい歴史研究でもある」とトマ・ピケティ自身が書いている通りで、経済学だけでなく、歴史や社会に関心がある人、長い本が読める人はみんな読んだ方がいい名作だ。文章は非常に平易で、有名な "r > g" に加えて2つほど数…