花も実もある楽しい読書

人生とテニスに役立つ本

『ストーリーでわかる財務3表超入門』仕事にも効く、小説としても楽しい

 「BS、貸借対照表」と「PL、損益計算書」。この意味するところを正しく理解せぬままにサラリーマン生活を続けてきましたが、コロナで家ごもりをしている間に、財務や数学も基礎を覚えると多くのことに役立つだろうと思い、手に取りました。

 若手OLが起業を決め、会社を設立してから1年回す間に少しずつ、単純に現金の出入りを追う収支計算書(家計簿や小遣い帳)から、BS、PLとの違い、その仕組みと意義を理解していく、ストーリー仕立ての入門書です。読者は主人公のあかねさんと一緒に、初心者レベルから理解を進めていくことになります。

 この本は3つの理由で非常によかったです!

  1. BSとPL、それぞれをすごく簡素化して、その目的、基本的な仕組みを噛んで含めるように教えてくれます。あかねさんのお父さんが教えてくれるストーリーなのですが、彼女の経験値、ステージに沿って、少しずつ細かく教えてくれます。何事を学ぶにも、まずその目的と基本を理解することが肝要。そして少しずつ出来ることを増やしていく。あかねさんの成長、商売のストーリーとともに説明が重ねられていくので、非常に理解を深めやすいです。
  2. 上記で本書の9割、ストーリーは完結します。そこまで理解できたところで、実際のBSとPLの細部の解説が入るのですが、肝を理解した後だと簡単に頭に入ってきます。ストーリーを通じて説明されてきた「事業活動とPL・BSの関係」を踏まえてキャッシュフロー計算書、CSを解説されると、あっさりこれも理解できます。仕組みの意図と基本が出来ていることの賜物であり、最後の1割に開設を持ってくる構成もよいと思います。
  3. 最後に、ストーリー自体もちょっと感動しました!私もこういう気持ちをもって、仕事に取り組んでいきたいものだと、心新たにしてくれました。 
ストーリーでわかる財務3表超入門―お金の流れで会計の仕組みが見えてくる

ストーリーでわかる財務3表超入門―お金の流れで会計の仕組みが見えてくる

  • 作者:國貞 克則
  • 発売日: 2011/02/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)