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『2100年の科学ライフ』一流の科学者が300人の各界トップと作り上げた未来予測の本

著者のミチオ・カクさんは日系3世のニューヨーク市立大学理論物理学教授。アメリカで有名な未来学者でもあります。

専門家が自分の意見をまとめた未来予測本や、各分野の専門家へのヒアリングによる本は色々あります。しかし、現役バリバリの科学者が、300名にのぼる各界トップの科学者たちにインタビューを重ね、分厚い裏付けをもって2100年までの未来を予想した本書はユニーク。9章から構成されています。

  1. コンピュータの未来
  2. 人工知能の未来
  3. 医療の未来
  4. ナノテクノロジー
  5. エネルギーの未来
  6. 宇宙旅行の未来
  7. 富の未来
  8. 人類の未来
  9. 2100年のある日

8つの分野の最新技術、理論を踏まえ、向こう25年ぐらいの近い未来、今世紀の半ば、今世紀末までの遠い未来、この3つの時間軸で予想が描かれます。

最終章は、ある男性の一日を描くショートストーリです。舞台は2100年の元旦。本書が執筆されたのは2011年ごろですが、その後のベストセラーである『ライフ・シフト』や『ホモ・デウス』で描かれた近未来とのリンクも感じられ、さすがだなと感心しました。

発刊後に変わったことも当然あるので、近未来の予測であればより最近書かれた『2030年の世界地図帳』などの方が具体的ですが、80年、90年先を見通そうとした作品は今読んでも非常に面白いです!

2100年の科学ライフ

2100年の科学ライフ