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『ジャック・ライアンシリーズ』トム・クランシーによる最高のテクノスリラー小説

冷戦期に作家デビューしたトム・クランシー。軍事や諜報活動を扱うテクノスリラーとして、政府関係者にも評価されるほどリアリティがあるのですが、それだけにとどまりません。ハリソン・フォード主演で映画化されるほど魅力的な登場人物たち。そして何より、近未来を予期するような壮大かつ緻密なストーリーは、四半世紀後に読み返しても色あせず、ハラハラドキドキさせてくれます。

  • 重要建造物にハイジャックした旅客機で突入する大規模テロの発生。
  • 合衆国全土を覆う感染症発生による国民の行動制限と医療機関の奮闘。
  • 国家規模の資金力とワクチン開発技術力を誇る巨大バイオ企業の登場。

 これらは、『日米開戦』、『合衆国崩壊」、『レインボー・シックス』の三作品で1990年代にクランシーが描いたフィクションの事件や社会情勢です。2013年に亡くなった際、9.11テロを予言した作家と言われましたが、2020年に世界がコロナ禍に翻弄される今、久しぶりに読み返すと、本当にすごい。

深い専門知識と豊かなクリエイティビティが掛け合わされると、近い将来に起きるかもしれないことを、ここまで描くことができるんですね。

『合衆国崩壊』などは600ページ前後ある文庫本4冊にもなる大ボリューム。ものすごい読み応えがありますが、超一流のエンターテイメントです。 

レインボー・シックス〈1〉 (新潮文庫)

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