久しぶりに読んだ宮部みゆきさんの作品は、中学生の娘に進められて。本当に、この人はなんてすごい物語を書くんでしょうか。初めて読んだ『模倣犯』は、夜の8時に読み始め、怖い思いをしながら朝の8時まで、夜通し読み続けたのを覚えています。この物語は…
マジョリティでない者の生きにくさ。好きなものを大切に追うことの力。コミュニケーションが得意でない苦しさ。好きな者同士がつながるネット時代の可能性。 いつの時代にも、いまの時代だからこそ、若者たちが抱える苦しさと、若者らしい素晴らしさ。二人の…
サイコパス。他人がどうなろうと、その相手を思いやる「良心」はなく、論理的な思考や計算はできるが、他者への共感性、恥の意識、罪の意識がすっぽり欠落している人間。 そういう人間が約100人に1人は存在するという事実を踏まえて、サイコパスとはどの…
マンガ家、イラストレーターのさわぐちけいすけ氏が考える、人との距離感を題材にしたマンガエッセイ。人のためを思って何かをするとき、優しくするとき、人はしばしば見返りを求めている。実はそうですよね。さわぐちさんは語ります。「自分がそうしたいか…
非常に分厚い本だが、ストーリーの重要性を説くだけあり、やわらかな語り口と興味深い事例紹介で楽しく読める。著者がまとめるジャンルを超えた原理原則、戦略ストーリーの「骨法10か条」+1。 ①エンディングから考える ②「普通の人々」の本性を直視する …
フォームなど打ち方の指南ではなく、テニスの戦術、組み立て方を学ぶ本。試合前に読み込んで、その後に実践すると勝率が上がりそうな気がします。96の作法のうち、気になった21を備忘録も兼ねてピックアップ。特にタブルスは、ポジショニング、ポーチ、…
毎日が、今より少し楽しく、心軽く、快適にすごせたらいいな。そう思いつつも心を煩わせている毎日を、「まあ、これも修行のうち」と気楽に受け流せるようになれたら、どんなにラクになるでしょう。そうなるための方法を「実践!」していこうというのが、こ…
浜松ピアノ国際コンクールをモチーフに描かれた、三人のピアノの天才と、彼らを取り巻く音楽を愛する人たちの物語。コンクール出場者である四人の葛藤や成長は、彼らの互いを想う優しさも相まって感動させてくれます。そして楽器に縁遠い私のような読者もワ…
睡眠ハウツー本は世の中に多いし、説得力のあるデータを揃えている本も複数あると思いますが、その中でもこの本はピカ一です。筆者のマシュー・ウォーカー博士は現カルフォルニア大学バークレー校の睡眠・神経イメージ研究室所長。世界をまたにかけ、睡眠、…
この物語はフィクションです。しかし、高知県庁におもてなし課は実在します。 という書き出しの本書。高知県出身の有川浩さんが、県庁おもてなし課から観光特使を依頼されたことをきっかけに生まれた作品。面白い小説であると同時に「地域活性化」や「企画の…
『還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか、とかつての悪ガキ三人組が自警団を結成。剣道の達人・キヨ、柔道の達人・シゲ、機械いじりの達人の頭脳派・ノリ。ご近所に潜む悪を三匹が斬る!その活躍はやがてキヨの孫・祐希やノリの愛娘・早苗にも影響…
アジア人として初めて、SF界で特に名誉あるヒューゴー賞に輝いた中国人作家、劉慈欣のSF大作。ヒューゴー賞はかつてハリーポッターシリーズも受賞しているぐらいで、ストーリー性に優れたファンタジーを重視しているのかもしれません。物語の前半は、中国の…
世界はどうしてできたのか、世界は何でできているのか?人間はどこから来てどこへ行くのか?何のために生きるのか? 我々の脳が現在の形まで進化した1万年前から、人間は考え続けてきました。自然科学や遺伝子、脳科学的に、一定の答えは出つつあるのかもし…
東野圭吾さんが好きな中1の娘に「ちょっと怖かったけど、マスカレードホテル以上にオススメ!」と推された小説。マスカレードホテル自体が二人ともかなり楽しんだ本でしたし、娘からそのように薦められたら読まない訳にはいきません。読み始めたら止まらな…
国連が2030年までに達成する17の目標として定めたSDGs(持続可能な開発目標)。これを足掛かりに、落合陽一さんのナビゲートで地政学、テクノロジー、データを見据え、これからの社会をどう生き、どう関わるべきかを学ぶ本。中身は、SDGsがカバーする幅広い…
劇団四季やブロードウェイで活動していた石村友見さんは、激しい鍛錬や無理なダイエット等で身体を痛め引退。じっくり体をメンテナンスして回復していこうと、ある時訪れたNYのヨガスタジオでの講師の何気ない呼びかけが、本書のきっかけだそうです。 ではみ…
キングダムでブームの戦国時代の少し前の時代。中国古代史研究者の佐藤信弥さんが、中国各地で出土した青銅器に刻まれた記録である「金文」を基にまとめた周代史です。専門的ですが「歴史的な事実と歴史認識」の差というものがわかりやすく理解でき、現代の…
「ツァラトゥストラはかく語りき」など多くの著作を残した19世紀のドイツ人哲学者ニーチェ。本書をめくると、現代の私たちが楽しく生きるヒントがたくさんあるなと。訳もすごくいいのでしょう。全10章、190の言葉が1ページずつ掲載されています。特に響いた…
お弁当屋さんのアルバイト店員ちひろさんと、街の人々のふれあいや暮らしをほんわか描いたお話。元風俗嬢とあけっぴろげに語り、普段はのんびり、時々クールに活躍するちひろさん。ユニークなシニア揃いのお弁当屋さん。上辺の友人関係、家族関係に疑問を持…
Amazonプライムの読み放題対象、キンドルで格安購入もできる本ですが、1440分(24時間)を有効に使うための15のTIPSのうち、下記3つは、個人的に新たな気づきであり、特に1番目は実践しやすく有効です。 1.To Do リストをやめてスケジュール表に入れる…
初代事務局長の著者が、豊富なスポーツビジネスの知識とBリーグ設立の経験を踏まえ、成功するビジネスモデルのポイントをまとめた本。サラリーマンとしては、下記の3点が参考になりました。 1.新ビジネスの機会検討、計画立案時の留意点 2.権益統合でビ…
日本のプロサッカーリーグの弱小チームとその選手たちが、個性的な若手監督に率いられ大きく成長していく大人気マンガ。手に汗握るストーリー、魅力的なキャラクター、多くの人がハマるのがよくわかります! すごいなと思うのが、テレビドラマを思わせる、マ…
本当に面白いものは、大人でも子供でも面白い!中学生の子供たちと親子で楽しんだ小説をご紹介します。 1.きみの友だち 重松清 2.風が強く吹いている 三浦しをん 3.精霊の守り人 上橋菜穂子 4.図書館戦争 有川浩 5.一瞬の風になれ 佐藤多香子 6.…
心に巻き起こる、怒りやいらだち。負の感情をコントロールできたら、人生がどんなに楽になるだろう。そう思って検索して出会ったのが本書。 副題は『「心の知能指数」を高める66のテクニック』。 感情は自然に湧き上がるもので、コントロールするのは難しい…
アメリカ人著者が収監中に会得したという設定が本当かどうかはわからないが、驚くほどに論理的な自重トレーニング指南書だと思う。どの辺が論理的か。まずはキャリステクニクスと呼ばれるメソッドの6つのメリット。 器具がほぼ不要。要るのは公園の鉄棒等、…
「5-6時間で中学数学が終わってしまう。」ウラ表紙の触れ込みです。実際に4時間ほどで読み終えました。あと1-2時間の復習、すなわち通算5-6時間の読書で、オモテ表紙の触れ込みどおり、誰かに教えられるほど理解できるかも?その気にさせられました。 難しい…
我が家をより心地よく。副題の通り「シンプルで美しい暮らしのための3つのエッセンス」を、素晴らしい写真集のような豊富な事例で紹介してくれます。 「無駄なく」 Plain ありのままの素材、すっきりとしたフォルム、魅力を高めるどころか不鮮明にしてしま…
高校からテニスを始めたマルオ君がプロを目指す全47巻の人気マンガ。描かれるトレーニング方法や戦術がリアルで、読み返したときに抱えるテニスの課題感によって、毎回新たな気づきがもらえます。 自分は部活上がりの週末プレイヤーですが、体幹トレーニング…
6年前に出版された本田直之さんの「ノマドライフ」は場所に縛られずに仕事をしよう!というメッセージでしたが、四角大輔さんとの共著である本書ではさらに進んで、仕事と生活の垣根をなくして、融合させていくことを提案しています。 ノマドワーカーを「ど…
2022年に大ヒットした、セカオワのHabitの歌い出し。 君たちったら何でもかんでも分類区別ジャンル分けしたがる ヒトはなぜか分類したがる習性があるとかないとか この世の中2種類の人間がいるとか言う君たちが標的 本書の第1章でハンス・ロスリングが指摘…