日本のプロサッカーリーグの弱小チームとその選手たちが、個性的な若手監督に率いられ大きく成長していく大人気マンガ。手に汗握るストーリー、魅力的なキャラクター、多くの人がハマるのがよくわかります!
すごいなと思うのが、テレビドラマを思わせる、マンガ全体のデザインです。大胆で躍動感のあるコマ割り、前話のラストシーンから始まる各話のつなぎ、連ドラのような次巻予告、各話の間に挟まる撮影秘話的なひとコマなど、素晴らしくテンポの良い連続ドラマを観ているかのようです。
作品中に、いくつも胸アツな展開の試合が描かれるのですが、スポーツシーンに合うアップテンポな音楽を聴きながら読んでみてほしいです。BGMがテレビドラマ的な展開をさらに盛り上げてくれて、何度も読んだ話でも、興奮と感動で涙が出てきてしまいます。。
マンガとして最高に面白いだけでなく、登場人物たちのひたむきな姿、熱いセリフを読んでいると、モチベーションがあがってきちゃいます。ビジネスで学んだ、「成長マインドセット」という成功心理学は、まさにジァイアントキリングのストーリーそのものです。学業・ビジネス・スポーツ・恋愛・人間関係、さまざまに応用可能な考え方です。
ちなみに成長マインドセットとは、生まれ持った才能は出発点にすぎず、ほとんどの基本的な能力は、献身的な努力によって成長しうる、というスタンフォード大学の教授が提唱した学説。単なるポジティブシンキングではなく、脳生理学的にも「変えること」が可能だと思うことで、そのための思考を加速するニューロンがつながっていくそうです。成長(グロース)マインドセットの考え方自体は、その逆である固定(フィクスト)マインドセットと対比すると分かりやすいです。
まさに成長マインドセット的な5つの考えが、ジァイアントキリングの全編を通じて出てきます。
- 我々はいくつになっても変われる
万年下位チームが10年ぶりの上位争い。心の立ち位置を容易には変えられないベテラン達も、新人の椿選手の成長を目の当たりにし、思い込みが自らの成長を妨げいるかもしれないと気づき、変わろうとします。
GIANT KILLING (30) # 297
- 努力が肝心だ
身長?スピード?自分にないものへの劣等感は当然あります。それでも、できないことは消去法で削ぎ落とし、できることだけを磨く。その先には、大きな可能性があるんだと。
GIANT KILLING (9) #82
- 意見されることはありがたい
時にアドバイスは苦かったり、厳しかったり。それでも、状況をよく理解する人からの意見は、自分が気づけなかったことを理解させ、新たな一歩のための助けになるはずです。
- 目標を高く持つことはいいことだ
目標の方向性は人それぞれ。そこに、いいも悪いも、貴賤もない。ただ、自分が頑張りたいと思えることを、突き詰められるか。ブレイクスルーはその先にある。
- 仲間の成功は学ぶ機会だ
自分の立場が脅かされる気がして問題だと思ってしまう。でも本当は、自分が成長する機会。羨ましさも、悔しさも、OK。どれもやる気につながっているはず。
相手や状況によって、固定マインドセットで考えてしまうことはあるはず。誰でも3つの訓練を通じて、成長マインドセットに移行することが出来るのです。
- 新しい方法を、たとえダメでも、やってみる。
- 少しずつであっても、自分の進捗を評価する。
- お手本、反面教師から、新しいやり方を学ぶ。
「小さなこと」からこそ、やってみよう!