花も実もある楽しい読書

人生とテニスに役立つ本

『B.C. 1177 古代グローバル文明の崩壊』紀元前1177年 地中海文明の転換点

紀元前3千年紀の青銅器時代に、エジプト、ヒッタイト、ミケーネ、アッシリア、バビロニアなどの古代国家は地中海世界にグローバル文明ともいえる国際交易体制を築いた。それぞれの王国、帝国は地域の覇権を巡って争い、陰謀をめぐらしつつ、同盟や縁戚関係…

ルーネとバックハンドスライスを学ぼう パトリック・ムラトグルー

ムラトグルー先生がホルジャー・ルーネに授けた、バックハンドスライス12の教え。 体の近くでボールを捉える。ボールを前で捉えた場合、それ以上押せない。 ラケットは前へ振り切る。ラケットをサイドに振らない。 ラケットを長く前へ振る。腕が伸び切るま…

『文字の歴史』長い時間をかけて社会的な必要性から人類が選び抜いた作品

完全な文字とはなにか。次に挙げる3つの基準を満たすものである。 意思の伝達を目的としている。 紙など(あるいは PC モニターなど電子機器)の表面に書かれた、人工的な書記記号の集合体である。 意味を持つ音声、話しことばを系統だてて整理し、それに対…

人類史の新たな古典:『万物の黎明』の衝撃

人類学者のデヴィッド・グレーバー、考古学者のデヴィッド・ウェングロウの共著。「人類史を根本からくつがえす」という副題通りの書評を、作家のケン・フォレットが寄せている。「本書は、人類の歴史についてこれまで信じてきたことを全て爆破させる爆弾だ…

完璧なボレーを打とう パトリック・ムラトグルー

ムラトグルー師が教える、シングルスの中でネットに出てボレーを決めるために大切なこと。 ベースラインからネットへの出方 相手のボールが浅くなったら、アタックして前に出る。ポイントは2つ。まず、出るべき浅さを決めておくと迷わない。私はベースライ…

プロのようにサーブを打つ9ステップ パトリック・ムラトグルー

ムラトグルーコーチのサーブの教え。彼はスライスサーブを推している。 1. 肩を回す 2. 手首を自由にする 3. 自分のリズムを見つける 4. 前に叩く 5. 手が先 6. サイドスピンを加える 7. ボールの下にとどまる 8. トスを右にあげる 9. スライスサーブのレベ…

ムラトグルー流テニスマスタークラス:週末プレーヤーのための究極のオンラインレッスンガイド

パトリック・ムラトグルーはフランス人のプロテニスコーチ。南仏にアカデミーを構え、トッププロからキッズまでを指導し、多数のレッスン動画をYouTubeやインスタにアップしてくれている。 週末プレーヤーはコート上でコーチに教わる時間は限られるので、動…

NVC (Nonviolent Communication) を身につけて、自分と他人を大切にできるようになる

自分と、自分の大切な人とのコミュニケーションをよりよくするためのスキルとして、非常に有効だと思う。ガンジーの提唱した原則が「非暴力」だけでなく「不服従」とセットであったように、Nonviolent Comumunicationの原則も、言葉の非暴力を謳うだけでなく…

為末大さんの『熟達論』に基づき、週末テニスプレーヤーがレベルアップを図る

為末大さんは「死ぬまでに現代版の『五輪の書』を書いてみたい」と言って本書の執筆を始めたそうだ。引き込まれるように本書を読み、自分のテニスにおける「型」を考え試した2ヶ月。40年続けてきたスポーツで短期間に上達を実感し、大会でも結果が出たので、…

『習近平政権の権力構造』を読んでイノベーションの限界と対台湾工作に思いをはせる

中国国家主席を3期連続で務める習近平氏。彼が頭脳明晰で強い信念を持つ人物であることはよく理解できた。国民の「共同富裕」の実現を本気で目指し、権力欲の前に「共産主義」を心から信奉する人のようだ。だから余計に、彼がリードする中国は、国際情勢に…

『言語の本質』を読んでホモ・サピエンスの認知革命の原因を理解する

これはすごい本だ。世界的ベストセラーが置き去りにした疑問に答えをくれる。 『サピエンス全史』でユヴァル・ノア・ハラリ氏が提唱した認知革命。革命的に脳の突然変異が起きたかは別として、約7万年前から4万年前に、ホモ・サピエンスに認知的な革新が起…

制度が築く経済:大国の興亡と成長の三つの柱

古代ローマがその絶頂期から衰退へと転じた瞬間とはいつで、何があったか?そんな瞬間があるとすれば、私たちは歴史的な大事件を思い浮かべる。蛮族の襲来によるローマ陥落のような。しかし著者らは、そのような大事件は衰退の結果でしかなく、原因は別だと…

高インフレ・高金利時代の到来 - 人口動態の変化と新たな投資戦略

この本で著者らは、長期に渡る低インフレと低金利の時代が終焉を迎え、人口動態の大変化が引き金となって、世界が高インフレと高金利の時代に突入していると主張します。本書からの洞察と個人の行動にどう活かすかをまとめました。 高齢化と労働力の減少がも…

違う場所、同じ挑戦:『ローマ人の物語』ユリウス・カエサルと『キングダム』嬴政が挑んだ歴史的統一と大変革の痛み

こんにちは、皆さん。今回は、『ローマ人の物語 ユリウス・カエサル編』と『キングダム』を読んで感じた共通点、カエサルと嬴政の下での大統一と政治体制の変革に焦点を当てて書いていきたいと思います。 大統一への挑戦 政治体制の変革と法の力 暗殺と後継…

"ゼロで死ね" - 家族との価値ある時間を増やすための哲学

DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール 作者:ビル・パーキンス ダイヤモンド社 Amazon お金と時間の価値。このことについて深く考えさせてくれたのが、「Die with Zero(ゼロで死ね)」という本だ。この本は、1億ドルを超える資産を持つヘッジフ…

中級者が試合に勝つための『ベイビーステップ』1−16巻

自分が挑むのは草トーナメント中級、市民大会B級。ベイビーステップのマルオ君たちのようにレベルは高くないけれど、試合に勝つ、という観点から読み返すと改めて響く箇所が多いマンガ。1−16巻、各巻から1箇所ずつポイントを抜粋。 1巻:ボールを迎えてリタ…

男性が家事レベルを上げるのに役立つ『勝間式 超ロジカル家事』

男性にありがち?な家事レベルと推移。 レベル0。社会人になって一人暮らしを始める前。インスタントラーメンを作る以外の家事能力なし。このまま結婚すると非常にヤバイ。 レベル1。一人暮らしで最低限の炊事、洗濯、掃除を覚える。炊事は炭水化物を一品…

スライスだけで勝つ!シングルス編 テニス漫画『BREAK BACK』より

シングルスをスライスだけで勝つのは、ダブルスより難しい。。 ダブルスではポイントの半分以上がネットプレーで決まる。だからいかにいい状況でネットプレーに行けるか重要になる 逆にシングルスはポイントの半分以上がベースラインプレーで決まる。ベース…

大人も目から鱗が落ちる『13歳からの地政学』

子供向けのようなタイトルだけれど読み応えあり。子供でもわかる例を用いて、知ってるけれど、分かってないことを腹落ちさせてくれました。本書からそんな4つのエピソードをご紹介します。 驚くべき事実:日本は実は世界第4位の体積!深海の秘密とその利点 …

『父が娘に語る経済の話』を読んで、市場社会と環境が共存する未来への道筋を、ChatGPTに聞いた。

元ギリシャ財務大臣の本書は経済の大きな流れをわかりやすく解説してくれます。壮大なテーマは、地球と共に繁栄する市場社会の創造。自分で噛み砕いて調べた内容をGPT-4先生に添削してもらい、よりよく理解できました。内容に興味を持ったら、ぜひ本書とChat…

スライスだけで勝つ!ダブルス編 テニス漫画『BREAK BACK』より

スライス、特にフォアスラは守りのショット、消極的なイメージ。しかしある日、リターンをワンポイントで見てくれたプロコーチから「ダブルス中心で勝ちたいなら、リターンは全部スライスにしてはどうか」とのアドバイスが。 上条コーチに全部スライスで打て…

マンガでテニス上達『ベイビーステップ』リズム編

ストロークでの深く食い込まれた球、前衛で受ける速球や急に来たチャンスボール。つい手打ちになってミスしてしまいがち。 ベイビーステップ1巻 当てるだけでは返せない 相手が打つ瞬間にスプリットステップを着地する。軸足を踏み出して決める。手だけでは…

マンガでテニス上達『ベイビーステップ』正しい打点への入り方と打ち方編

テニスマンガ『ベイビーステップ』は主人公マルオ君の強みがボールコントロールなだけに、正しい打点への入り方、正しい打点での打ち方について、非常に丁寧に描かれています。 ベイビーステップ(8) (週刊少年マガジンコミックス) 作者:勝木光 講談社 Amazo…

マンガでテニス上達『BREAK BACK』相手をよく見て予測編

元選手、コーチのKASAさんが描くテニス漫画『BREAK BACK』。面白いだけでなく、週末テニスプレーヤーの自分に必要な上達のヒントが、丁寧に描かれています。 今回参考にしたのは、予測して準備、次の攻撃につなげる「相手を見て予測する」ということ。 相手…

『マンガでわかる地政学』アメリカとロシア、イギリスとウクライナの関係

地政学ブームの背景 地政学は国際関係を理解する鍵となる概念です。特にロシアによるウクライナ侵攻が起きてからは、エネルギーや食料価格の高騰、台湾事変の可能性とリスクなど、多くの日本人がこの領域に興味を持ち始め、本屋でもちょっとしたブームになっ…

『自分で作るテニス筋力』

腰を落とすパワーポジションを自然に作れるようにしたい。肩甲骨でラケットを引けるようにしたい。デスクワークが長いので健康とテニスのために姿勢を正したい。その辺りに重点をおいたエクササイズを、本書よりピックアップ。 正しい姿勢 デッドバグ 姿勢安…

エマニュエル・トッドの『第三次世界大戦はもう始まっている』で理解が深まるウクライナ侵攻3つの背景

リアル本屋にはいい本との出会いがある。 ロシアのウクライナ侵攻をエマニュエル・トッドはどう捉えたか。読んでみると、それまで考えたことのなかった様々な問いが浮かんできました。 ウクライナ侵攻はなぜ起きた? ウクライナは3つの違う地域だった? 各…

『スッキリわかるPython入門』を読んで、テニスレッスンの空き状況お知らせプログラムを自作してみる

このブログでは、素人が本を一冊読んでPythonの基本を理解し、WEBから丸写し可能な写経コードを拾い集め、レッスン予約の空き状況をLINEに通知するコードを組めるようになるまでをまとめています。 通っているテニススクールで週末レッスンの予約をしたいの…

『銀河英雄伝説5巻 風雲編』35年目に読み返して思うこと

この長い物語を何度読み返したか分かりませんが、いくつになっても面白い。そしてこの年になったからこそ、胸に響く一節と思うことも。5巻からはこちら。 私は最悪の民主政治でも最良の専制政治にまさると思っている。 ラインハルト・フォン・ローエングラ…

『銀河英雄伝説4巻 策謀編』35年目に読み返して思うこと

この長い物語を何度読み返したか分かりませんが、いくつになっても面白い。そしてこの年になったからこそ、胸に響く一節と思うことも。4巻からはこちら。 ユリアン、現在の状況は古来から固定しているものとわれわれは誤解しがちだ。だけど、考えてもごらん…