花も実もある楽しい読書

人生とテニスに役立つ本

『試合に勝つテニス 鈴木貴男のダブルス講座』即効性ではなく長期服用でダブルスに効く

本書を読んですぐに草トーで勝ち上がれる訳ではなく、しばらく放置していました。ショットの精度を高めて再挑戦、それでも勝ちきれないと思ったときに、作戦力を上げたいなと。その上で本書を読むと、改めて学ぶところがあります。試合で見つけた気づきや反省点を、本書を読み返しながらアップデートしていきます。

①ダブルスはポジショニングで勝つ

相手に無理させるポジションを

僕は、相手が打ったボールがネットしたり、アウトしたときは、自分が取ったポイントと考えます。なぜなら、それはポジショニングで相手にプレッシャーをかけた結果だからです。まずは、前衛ポジションで、相手に無理をしているポジショニングを考えていきましょう。

ダブルスでもボールが落ちるのはほとんどシングルスコートなので、一人でシングルスコート半面を守ればよい。ダブルスでの自分の役割はボレーゆえ、ベスポジはボックスの真ん中。137cmのアレーを打ち抜かれたら仕方ないし、アレーに打たれても体重移動しながら相手のボールの力を利用して打てば、届くボールは返せる。逆にセンターは絶対に抜かせない。このポジションにいればセンターは届きます。

②ポジショニングの基本と応用

相手リターン時はサーバー側前衛もスプリットステップを入れろ!

プロとアマでは全然違う、と感じるのは、サーバー側前衛のポジショニングです。アマチュアの前衛は、サーブに関係なく初めからネットに近い位置や離れた位置に立っていますが、プロの前衛は、サービスボックスの中央に立ってリターンのタイミングに合わせてスプリットステップし、ネットに近いところにポジション移動します。

相手がリターンを踏み込むタイミングでスプリットステップを入れて1.5歩前へ。全球ポーチに出るつもりでいて、相手ボール次第で出ない判断をする、が正しい順番。

ネットに詰めるだけで相手はプレッシャーを感じる。パワーと精度が上の相手に勝とうと思えば、精度を下げさせてナンボ。いかにプレッシャーをかけ続けるか。

雁行陣前衛の動き

雁行陣対決で後衛同士がクロスラリー中の前衛は、相手が打つときはネットに詰める、パートナーが打つときはサービスラインまで下がるのがセオリーとされていますが、現実的ではありません。なぜなら、クロスラリー中にそんな大きな動きはできないからです。

雁行陣の前衛はサービスボックスの中央に立ち、前衛の守備位置のどの方向へも動けるポジショニングを。左右前後の4方向に、サイドステップ2歩で身体を運ぶ。

後衛のパートナーが、十分な体制でフォアを打てると思ったら、相手前衛の動きを感じ、動きそうならこぼれ球や攻撃に備える。気配がなかったらポーチの備えをする。バックで打つようなら一歩下がって相手に攻めに備える。ボーッと「待つ」のではなく、配球と相手を見て「備える」。

レシーバー側の前衛の動きは?

  • 相手前衛を意識し、サービスラインより前、センター寄りで構える。
  • 相手が3球目を打つとき、動いてプレッシャーをかける。
  • パートナーがどんなリターンを打つかを予測し、ファーストボレーが甘く入ってきたらポーチに出る準備を。

相手がサーブアンドボレーの場合、ファーストボレーに「寄せる」素ぶりを見せると相手はプレッシャーを感じ厳しいボレーを余儀無くされる。ファーストボレーがフォアならセンターに寄せるのが基本。バックならストレートに流してくることも。

③前衛の戦術と攻撃法

雁行陣でストローク戦になったらポーチに出ろ!

  • どこにでも打てる状況のときはどこに打つか。相手が触れない所に打つ。足元は意外と拾われる。
  • ボレーはネットに近い方がミスもしないし決まりやすい。ポーチは「横」ではなく「斜め前」にサイドステップで飛び出そう
  • ポーチに出るタイミングは、相手がためを作っているときでは早過ぎ。スイングを始動したらサイドステップで1歩出て、落ち着いてボールを待つ。出れない球だったら戻る。

フェイクの動きを積極的に!

  1. わざとセンターを空ける。サイドステップからスペースに左足を大きく飛び出してフォアボレーポーチ
  2. 半身だけを揺らしてフェイク。足はバタバタしなくてもいい。

縦ロブでポジションチェンジしたら負けと思え!

  • ボールは絶対に落とさず自分で返す。相手のフォームを見て予測することも必要。つなぐフォアのハイボレー、つなぐバックのハイボレー、回転をかけたつなぐスマッシュ、この3つを覚える。
  • 甘いロブに対して、逆クロスの鋭角はケアしずらくて狙い目コースはシングルスラインで十分

ロブの活用と甘くなってしまったときの対応

  1. アドサイドからの縦ロブは危険要素がいっぱい。基本はクロス
  2. 甘いロブを上げたら、まずセンターケア。前衛なら、サービスラインの後ろまで下がって構える

④レシーバー側の戦術

ダブルスのストロークは「低いところを通すボール」が基本

ダブルスのストロークは、リターンも突き球も全て低いボールが第一。ただし「低いボール」といっても、ネットギリギリを狙って打つわけではなく、大事なのは「相手が触るときに低いボール」ネットを越えてから落ちるようなボールを考えよう。

フォームもテイクバックも小さくてOK。小さなスイングにすることで、ギリギリのタイミングでコースを変えることができる。

相手セカンドサーブにプレッシャーをかけろ!

相手のセカンドサーブが甘い場合、ベースラインから2歩ほど詰めて、相手にプレッシャーをかけるのもひとつ。

リターンダッシュで必要なのはライジング打法。早めのタイミングでボールを捉えるテクニックが必要。打つボールはクロスコートのサービスライン付近に返せれば、フォアスライスでもOK。積極的にチャレンジしてネットを取りにいこう。

サーブでバックを狙われた時の対処法

「これなら失敗しない」というショットを身につけること。アドサイドなら、センター深くに逃げるロブでもOK。

⑤陣形別の戦術

  • センターに来たボールは先に反応した方が打つ。反応をしやすいのは、前のボールを打った人。自分で打ったボールなら、伸びるか、伸びないか分かるはず。甘い球を打ってセンターを狙われたら、責任もって自分で頑張る
  • 平行陣の相手ボールが深くて打つ場所がない!「困ったときはセンター」。ネットが低くミスが減る。相手も角度がつけづらいセンターに低く落ちるボールを返せたら、サイドが空くので次でチャンスが生まれる。
  • 相手前衛がベタ詰めしてたら「ロブあげ放題」と理解して、積極的にロブで攻めよう。

⑥サーバー側の戦術

  • センターセオリーで、ボックス中央よりセンター寄りから打つ。シングルライン寄りすぎると自陣センターを抜かれるリスクが高まる。
  • アドサイドはフォアに回り込まれないサーブを打てるならワイドもあり。
  • ファーストボレーは浅くても構わないが、低く滑るボールを打つ。ミス、ポーチも防げるし、レシーバーを動かせる。相手に叩き込まれないよう、バウンド後に高く弾まないボールが必要。