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試行錯誤の軌跡:人類の歴史を探る(0)全人類の通史を深く学び始めたきっかけ

高校で世界史を好きになってから30年以上が経つ。学校で使った世界史年表は社会人になってからもしばらく持っていたのを覚えている。見開きに収まる情報量には限りがあるので、当然のごとく時代ごと、地域ごとに区切られていた。歴史は時代を越えて続いていくものだし、地域が違っても同時代人は影響しあっていたはずだから、全部ひとまとまりの年表があったらいいのに、いつか自分で作りたいなと、思ったものだった。

ChatGPTという、歴史にまつわる質問をすれば即座に文章で回答をくれる道具が現れたので、Wikipediaでざっくりファクトチェックをしながら、自分なりの年表を作ってみることにした。7万年前から現代まで、全世界をカバーするエクセルの一覧表だ。縦軸は1世紀区切り、ただし紀元前まではより大きな区分で。横軸は、中東、アフリカ、ヨーロッパ、インド、中国、日本、東南アジア・オセアニア、アメリカの8つの地域に分けて。

年表の制作中に出会った本がある。美術史家のエルンスト・H・ゴンブリッチが書いた『若い読者のための世界史ー原始から現代までー』だ。1935年、歴史学者でもなく、大学卒業したての駆け出しであった著者は、第一世界大戦後の混沌の中にあるヨーロッパで、よりよい未来への願いを込めて子供向けの歴史書を書いた。

著者はその50年後、第二次世界大戦も経験したユダヤ人として、それでもよりよい未来を信じてあとがきを加えた。旧著の学問的不完全さを補い、自身のかつての見解も正し、改めて送り出したその本は、全人類史にしてはいたってコンパクトだ。一冊200ページ少々の文庫本の上下巻、大きめの文字で、素敵な挿し絵入り。コンパクトではあるが、「歴史という川の流れ」を理解しやすく、そして暖かい読後感の本であった。

自分で全世界、全年代の年表を作ってみて感じたこと、生まれた疑問がある。人類の歴史は、コミュニケーション能力の進化の歩みだったのか、とか、その革新はどうやって成し遂げられてきたのか、など。どうやら壮大な試行錯誤を通じて、少しずつ進めんできたらしいと感じているので、これを人生に前向きな学びとして腹落ちさせて、人の役に立てられたら最高だなと考えるようになった。

理解を深め、さらなる気づきを得るために、人類史における岐路で感じる疑問に偉大な考察を示してくれる名著と、自分と仮説検証のキャッチボールをしてくれるChatGPTをパートナーにして、人類の試行錯誤の軌跡を探っていきたいと思う。

 

まずはじめに、人類が他のホモ属と一線を画すようになった最初の岐路、「1)7万年前ー認知能力の発展。仮説検証する人類」からスタートする。