外資系父ちゃんがすすめる100冊

妻と二人の愛娘と暮らす40代外資系課長です。続く転勤、キャリアの壁、夫婦関係など、不惑を過ぎて惑う日々。教養、ビジネス、夫婦関係、小説、マンガ、心に響く読書を通じて、悩める40代が制約を乗り越えて自由を拡大する。本の中身を実践しつつ紹介します。

16. いまも、君を想う 川本三郎 <妻に優しくしたくなる>

 奥さんに対して、自然と感謝の気持ちと大切さを思い出させてくれる素敵な本。筆者の川本三郎さんは映画、文芸評論の第一人者。35年連れ添い、先立ってしまった7歳年下の奥様との思い出が、さまざまなエピソードごとにつむがれています。

 もちろん私の奥さんと川本さんの奥様は全く違う人となりで、私と川本さんも全然違う人間で、それぞれの長い夫婦生活の間には楽しいことも辛いこともあります。ただ川本さんが切り取る、「他愛もない会話がいま懐かしい」、そのような瞬間はどの夫婦にもあるはずで。単身赴任二日目にこの本を読んで、奥さんに優しくしたいな、という気持ちにさせてくれました。全ての夫におすすめします。

 あるエピソードに続く著者の言葉をひとつ、紹介します。

一人になってしまったいま、いちばん寂しいのは、こんな無駄話が出来なくなってしまったことだ。「善福寺川緑地の桜がもうすぐ満開になるよ」「塚山公園に行ったらこのあいだまでいた野良猫が姿を消していた」。

そんななんでもない会話をする相手がいない。仕方がないから位牌や写真に向かって話してみる。

子供がいなかったから夫婦の会話は他愛のないものが多かった。いま思い出してみるとそれが楽しかった。

 

いまも、君を想う (新潮文庫)

いまも、君を想う (新潮文庫)