4. 銀河英雄伝説 田中芳樹 <最高のSF小説>

 読み継がれる長編小説は、全体を通して筋書が緻密で、多くの登場人物が魅力的に描かれていることは当然の共通点だとして、もう一つ、人間にとってすごく重要なテーマが隠されているような気がします。それがあるから、ストーリーに深みが生まれるというか。銀河英雄伝説であれば、人類の政治形態として、秀逸な独裁政治と、凡庸な民主主義は、どちらが貴いのか、と。本当の人類史を語るように、緻密かつ重厚な設定と、帝国、同盟、双方に登場する清濁幅広く個性的な登場人物たち。発刊から30年以上がたちましたが、むしろ古典の域に入ったような、どの世代が読んでも夢中になれる、田中芳樹の傑作です。

  40代になって読み返すと、主人公ヤン・ウェンリーの、時にダラけて見えるけれど、純粋に、好きなことと大切に思うことに対して常に真摯であるスタンスが、やっぱり好きです。10代で読んだ頃は当然だと思ったのですが、30代の幹部たちが壮年と描かれているあたり、自分の年齢を感じます。40代課長としては、将官ではなく佐官として、空戦リーダーという特定分野での明確な強みを持ち、自由と酒を女性をこよなく愛し、若手の面倒見が良いオリビエ・ポプランを手本に、力強く生きていこうと思います。

銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫)

銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫)