花も実もある楽しい読書

人生とテニスに役立つ本

『銀河英雄伝説3巻 雌伏編』35年目に読み返して思うこと

この長い物語を何度読み返したか分かりませんが、いくつになっても面白い。そしてこの年になったからこそ、胸に響く一節と思うことも。3巻からはこちら。 歴史家を志していたヤンの信念。ペンは剣より強し。 剣よりペンが絶対に強い、と信じるヤンであった…

『銀河英雄伝説2巻 野望編』35年目に読み返して思うこと

この長い物語を何度読み返したか分かりませんが、いくつになっても面白い。そしてこの年になったからこそ、胸に響く一節と思うことも。2巻からはこちら。 ヴェスターラントへの対応にあらわれる、オーベルシュタインとキルヒアイスの信念の違い。自由惑星同…

『銀河英雄伝説1巻 黎明編』35年目に読み返して思うこと

この長い物語を何度読み返したか分かりませんが、いくつになっても面白い。そしてこの年になったからこそ、胸に響く一節と思うことも。1巻からはこちら。 恒久平和なんて人類の歴史上なかった。だから私はそんなもの望みはしない。だが何十年かの平和で豊か…

マンガを読んでテニス上達『BREAK BACK』フットワーク改善編

元選手、コーチのKASAさんが描くテニス漫画『BREAK BACK』。面白いだけでなく、週末テニスプレーヤーの自分に必要な上達のヒントが、丁寧に描かれています。 今回参考にしたのはフットワーク改善のコツ。動き出しとボールへの入り方が良くなるパワーポジショ…

『オードリー・タンの思考』ソーシャル・イノベーションの天才に学ぼう

本書のはじめに紹介される、インタビュー初日のオードリーの言葉。 これからあなたが本を出す前に、少なくとも2つの日本の出版社から私に関する本が出ます。どちらも私の過去の仕事を作品集のようにまとめ、通っていた幼稚園の事まで細かく書いてくれたもの…

『伝わる 短い英語』外資系勤務者の英語学習本はこれだけでいい

外資系勤務で英語には長いこと苦労しており、いいヒントがもらえる本を探していた。副題に「アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア政府公認」とあるように、短い英語=Plain Englishは、政府が国民への通じやすさ、移民の身につけやすさをガチで考えて…

『源頼朝の世界』鎌倉殿と歴史好きには絶対楽しい歴史エッセイ集

2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。北条義時に興味を持って、義時と源頼朝のWikipediaを熟読するまで、本書の著者、永井路子さんは存じあげませんでした。 1979年出版の本書は今回の大河放映を機に復刊したようですが、今読んでもフレッシュで、鎌倉時代を…

ちきりん『自分の時間を取り戻そう』徹底するとリターンが大きい生産性アップの教え

生産性に厳しい外資系企業で長く働き、タイムマネージメントはそれなりに出来ているつもり。なので、本書を年末年始休み中に読んだ際、初見と感じる要素は多くありませんでした。しかし。 多忙な年明け第1週、ちきりんさんが言う「こんな短い時間ではとても…

一気読みをオススメするSFバディ小説『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

著者アンディ・ウィアーの前々作、2015年の映画「オデッセイ」でマット・デイモンが演じる主人公は火星に一人取り残されましたが、今回は一体何が? 天文学や恒星科学、物理や化学に関する科学的描写を極力正確なものに、という著者の努力の賜物で、フィクシ…

具体的な行動の指針になる『LIFE SHIFT 2 - 100年時代の行動戦略』

LIFE SHIFT 第2巻を読んでいる自分ももうすぐ50歳。企業人としてはベテランとなりつつ、60歳以降も働くつもりであり、先々の身の振り方を当然考えます。親としても、100年時代を生きる子どもの教育は自分たちの頃とは違うだろうと思いつつ、答えはありません…

読んで上手くなるテニスの本『鈴木貴男のサーブ&ボレーレッスン』動画レッスンと本のポイントを組み合わせて習得

本自体は2008年初版と古く、鈴木貴男選手のサーブ理論も進化しているので、本と動画を合わせて見るのがベター。貴男プロのYouTube「速くて入るスライスサーブ」は秀逸です。ボレーのカギは「ボレーを後ろから見て技術を学ぶ」の動画がおすすめ。自分のクセの…

AI入門書として秀逸、かつ自分のプロジェクトにいいヒントがもらえた本『文系AI人材になる』

AIを使ってビジネスを構築する人が、のぐりゅうさんの言う「文系AI人材」。対比として、ビジネスで使うAIを構築する人が「理系AI人材」。本書はまず、文系AI人材への第一歩としてキホン(役割、種類や用語)と作り方(特徴づかみの名人であるAIが作られるス…

大企業の中でイノベーションを起こすには。ケヴィン・ケリーが語る『5000日後の世界』への心構え

新書なので、筆者ならではの、広い知見にもとづく未来予測の深みやら、テクノロジーの哲学的な捉え方などは、割とあっさりしています。そのあたりは『インターネットの次にくるもの』が詳しいかと。 個人的に響いたのは、大企業がイノベーションを起こせない…

ケガなくラクにやせるランニングのアドバイス『あたらしいランニング入門』

学生の頃から長距離走は苦手で、たまに意気込んで走ると膝に痛みを感じる私ですが、テニスと散歩だけでは痩せなくなってきたし、いい方法はないかなと。そんな時に見つけた、青学駅伝チームのフィジカル指導も担当する中野ジェームズ修一さんの本書。 お勧め…

『試合に勝つテニス 鈴木貴男のダブルス講座』即効性ではなく長期服用でダブルスに効く

本書を読んですぐに草トーで勝ち上がれる訳ではなく、しばらく放置していました。ショットの精度を高めて再挑戦、それでも勝ちきれないと思ったときに、作戦力を上げたいなと。その上で本書を読むと、改めて学ぶところがあります。試合で見つけた気づきや反…

ダブルスサービスゲームキープのポイント4つ テニス漫画『BREAK BACK』より

元選手、コーチのKASAさんが描くテニス漫画『BREAK BACK』。とても面白く、そして週末テニスプレーヤー上達のヒントがたくさん描かれてる。 今回参考にしたのはダブルスのサービスキープのポイント。 作中で「ダブルスとしてこれ以上ないパーフェクトなプレ…

『保身』立ち場も、胸の内も、縛られすぎずに楽しい方へ抜け出そう

記者の藤岡雅さんが克明に記した、積水ハウスで2018年1月に起きた「クーデターの深層」。前年の地面師詐欺事件に始まり、2021年までの積水ハウス経営陣の軌跡を追います。 これだけの大企業が地面師に引っかかったことはお粗末の一言。クーデターの是非につ…

『アフターデジタル2』を読んで日用品業界のDXを考える

新たなUX = User Experience、顧客体験を作り、顧客とオンライン、オフラインを横断した関係性を築くこと。DXとはそういうことで、社会をよりよくするUXが提供できないDXは本末転倒。著者の藤井保文さんの説明はわかりやすい。 私が働く日用品業界でもデジタ…

『未来の年表』『未来の年表2』はこれから日本に起きる課題リスト。需要と供給のマッチングが解決策

著者でジャーナリストの河合雅司氏が書かれている通り、向こう50年の人口動態は大きくぶれることはありえません。2021年に50歳の人は約190万人。50年前は第二次ベビーブームで出生数は約200万人でした。2071年の50歳は絶対に81万人より少ないです。なぜなら2…

『94%の顧客が「大満足」と言ってくれる私の究極のサービス』デジタルと戦略と温もりを掛け算できたら響くんじゃないか

いま仕事で販促のデジタル化をリードしています。どのような販促が問題解決につながるか。そういった戦略的な考え方には強い会社なので、1to1アプローチに強いパートナーと、効果的に一緒にソリューションを作っていこうとしています。 元CEOが「Consumer is…

『1%の努力』これらを徹底して、楽しく生きる

「働かないアリ」であれ。 ひろゆきさんの提言は極端なようでいて、至極もっともなことにこう続きます。 「働かないアリ」のように、お金や時間にとらわれない状態になると、チャンスが見えるようになる。 まさしく「サボる才能」があるかどうかが問われる。…

『ビジネスパーソンのためのクリエイティブ入門』Whyで動かす。盗んで返す。

「クリエイティブとは、クリエイターのためだけのものじゃない。ビジネスマンのためのものでもある。」 「プレゼンテーションの目的は説明することでも、理解させることでもない。聞いた人の『感情を揺さぶる』ことである。」 人はどうすれば動くのか、人を…

『DXの思考法 日本経済復活への最高戦略』抽象化する。本屋にない本を探す。

「DXについて高次で思索を深めたい人は、経産省の誇る知性、西山圭太前経産省局長が書いたこの一冊を」との安宅和人さんの推薦を見て手に取りました。読み進めてみると、著者はなんという勉強家で頭のいい人かと感嘆… 大きな変化を起こすための抽象化の大切…

『新九郎、奔る!』俺の主は俺だ!真面目な青年の成長と応仁の乱の舞台裏を丁寧に描く歴史漫画。

北条早雲こと伊勢新九郎盛時が主役の、ゆうきまさみ最新作。応仁の乱前夜、新九郎11歳から物語は進みますが、1巻冒頭は、新九郎38歳が起こしたある事件の場面から。 室町殿奉公衆、伊勢新九郎盛時!主命により足利茶々丸様の御首頂戴に参上仕った! 主命かあ…

『いじめと探偵』高度な技術とプロ意識と優しさで、子どもたちの救いとなる

いじめを受けている子どもには、どこかに助けがあると知ってほしい。いじめをしている子どもには、必ず報いがあると学んでほしい。そういう社会であってほしい。 日本で初めていじめ調査を請け負う、著者の阿部泰尚さん率いる探偵事務所。保護者や学校だけで…

『Who Gets What マッチメイキングとマーケットデザインの経済学』人と人のニーズをぴったりマッチさせ、暮らしをよりよくする

需要と供給のバランスが価格によって最適化されるのが市場の役割。では、モノやサービスの配分が価格で調整できない時は? 例えば公立高校の学校選択。はたまた腎臓移植。売買価格では調整できない。。 マッチング理論とは、人と人、人とモノ・サービスをど…

『<インターネット>の次に来るもの』これからの未来の12の潮流を知り、対処しよう

著者のケヴィン・ケリーは、老舗テックメディアWIERD誌の元編集長で、テクノロジー界の哲学者のような人。 インターネットはどう社会を変え、世界をどこへ向かわせ、良くするのか否か。デジタル社会の行く末を12の動詞で示唆し、ものごとのDXを深く考える…

『10年後の仕事図鑑』3つのことを突き詰めること、自力x他力で問題を楽しく解決することの大切さ

2018年に出た落合陽一氏と堀江貴文氏による対談形式の本書。さらっと読んだ2年後に読み返すと、時代に私の理解が追いついたのと、私自身の変化で、メッセージがより胸に響きました。 自分のように四半世紀ほど働いてきた人間に、下記の2点は今後の働き方を…

『日本の医療の不都合な真実 コロナ禍で見えた「世界最高レベルの医療」の裏側』非常に深刻な医療費の使われ方と逆説的な希望

医師で医療経済ジャーナリストの森田洋之氏は、現場とデータの両方を見て、コロナ禍にある日本医療の現状をこう例えます。 最強の戦力を保持しているにもかかわらず、それらを適正に配置する指揮命令系統を失ってしまったので誰も動けない。しかし敵はもう足…

『海の底』成人男性から女子中学生までハマる潜水艦?小説

読み始めて9ページで度肝を抜かれる…あまりに意表を突かれ、すごく先が気になってしまいます。まだ裏表紙の内容紹介にも目を通していない方は、ぜひそのまま読み始めてください。 その1点に限って突拍子もなく、それ以外のストーリーはリアルに展開します…